射水市の山の幸・ジビエに舌鼓! イノシシ料理に初挑戦
射水市の隠れた味覚
射水市の冬の味覚といえば魚介類が有名ですが、それだけではありません。
秋から冬にかけて、射水市の人たちが楽しむ地元の味覚には「ジビエ」もあります。
ジビエとはフランス語で、狩猟で捕らえた野生の鳥獣のこと。
英語では「ゲーム(game)」といい、射水市でもイノシシや鴨などが古くから食べられてきました。
射水市のイノシシ事情
山あいの田んぼも多い射水市。

こうした地域では、野生のイノシシが田畑を荒らすことが問題となっており、住民が箱罠をしかけてイノシシを捕まえています。

近年は天敵が減ったことや暖冬の影響で里山に暮らすイノシシは増加しているとみられ、被害件数や罠にかかるイノシシの数も増えているそうです。
捕まったイノシシは、猟友会のハンターさんが「止めさし」を行います。
こうしてできたイノシシ肉は市場に流通しておらず、その地域の人たちやハンターの皆さん、それと「猟師さんに分けてもらった」という人が冬の楽しみとしてきた隠れた食材です。
私は生まれも育ちも射水市ではあるもののご縁がなく、これまで射水のイノシシ肉をいただいたことがありませんでした。
ところが、このほど射水市のイノシシ肉を猟友会さんから分けていただけることになり、人生初となるイノシシ料理にトライしてみました!
今回いただいたお肉は3種類。もも肉、ヒレ肉、あばら肉(スペアリブ)です。

流水で血抜きしたあと、もも肉は塩麹につけてからフライパンでソテー。

ヒレ肉はカツに。

スペアリブは、バルサミコ酢と蜂蜜、にんにくを混ぜたタレに漬け込んでから、オーブンで焼きました。

お味は、弾力があって、レバーのような風味がある豚肉という感じがしました。
思ったよりもクセがなく、とくにヒレカツが大好評。
イノシシは初めてという子供たちもパクパクと食べていました。
美味しい山の恵に感謝するばかりです。
イノシシを捕まえたい人は狩猟免許を取得
とはいえ、めったにいただけないイノシシ肉。
自分でイノシシを捕まえたい! という方もいるのではないでしようか。
その場合は、まずは県などが実施する入門講座や初心者講習会に参加してみましょう。
実際に猟をするなら、狩猟免許試験を受け、警察に鉄砲所持許可申請をするなど、多くの手続きが必要です。
その前に銃を打つ感覚を試してみたいなら、富山県総合体育センターのビームライフル体験がオススメです。

見ていると簡単そうでカッコいいのですが、私もやってみたところ、眼光の鋭さとは裏腹になかなか当たりません……。
今回、ハンターの方ともお話したところ、狩猟への思いとして
「山を歩くから健康になる」
「費用と時間を捻出するために計画的になる」
「仲間と食べて飲むのが楽しい」
「野生鳥獣の被害に悩む農家の助けになれば」
「クマが降りてきたときに、住民を守る力になれる」
といったことが聞かれました。
人生を豊かにする時間として、狩猟を楽しんでいらっしゃるのが伝わってきました。
今、世界的には食料不足やタンパク質不足が懸念されていますが、害獣とされるイノシシも肉として食べれば美味しいタンパク源です。
飼料を与えているわけでもないのに増えることも、食材として捉えればメリットかもしれません。
狩猟を楽しむ人が増えることで、イノシシの被害が減るとともに、とれるお肉の量が増え、加工施設ができたり、店頭で購入したり、飲食店などでいただけたりするようになったらいいですね。
DATA
富山県自然保護課 富山市桜町5−3 TEL 076-444-3396
富山県猟友会 富山市舟橋北町4-19 TEL 076-441-6150
富山県総合体育センター 富山市秋ヶ島183 TEL 076-429-5455
