正月はカジュアル着物で、お出かけにトライ
着物って、どう着こなせばいいの?
着物を着るというと、結婚式や入学式やお茶席……。
「着物=フォーマル」と思いこんでいませんか。
実は、着物にもフォーマルからカジュアルまで、種類があるんですよ。
……と偉そうに言ってみましたが、私も着物は初級レベル。
幼いとき(1970年代)は、祖母がお祭りや正月に着物を着せてくれたものの、物心ついて以降はすっかり無縁になっていました。

しかし、1年ほど前、祖母と母の着物の整理を思い立ちました。
中にはカジュアルな着物もあり、「せっかく着物があるなら、もっと活かせないか」と会食やセミナーなどに着物を着ていくようになった程度です。
そこで今回は、お古の着物を着こなすコツや正月のお出かけにオススメのコーディネートを教えていただきました。
着物の「フォーマル」と「カジュアル」の違い
まずは、着物の「フォーマル」と「カジュアル」について押さえておきましょう。
着物でフォーマルというと、結婚式や入学式で見かけるアレです。
布地は絹の白い生地を染めたものが使われており、絵柄の有無や描かれる場所などで、色留袖、訪問着、色無地などと区別されます。
帯は錦糸・銀糸を使った袋帯です。
一方のカジュアル着物は、着物全体に同じ模様が繰り返し描かれた「小紋」。
絹糸を染めてから織る「紬」のほか、木綿、ウールなど素材もさまざまです。
帯は、腰に巻く部分を半分の幅にした名古屋帯や、浴衣でおなじみの半幅帯・兵児帯を合わせます。
カジュアル着物は、結婚式などのフォーマルシーン以外はどこで着てもOKです。
帯と小物で今風に
とはいえ、普段は着ないカジュアル着物。
何を組み合わせればいいのかよく分かりませんよね。
そんな疑問に、リサイクル着物を取り扱う「あんてぃーく凛」の背戸春美さんがアドバイスくださいました。
「カジュアル着物は自由度が高いため、初心者でも気負いなくトライしやすいと思います。着物が同じでも、小物や帯を変えるだけで、いろんな着方ができるんですよ」
と春美さん。例えば、着物が古いものでも、きれいな色の帯揚げを組み合わせると今っぽく変身。

また、半襟を柄の入ったものに変えるだけでも、着慣れた印象になれるとのことです。

帯留めをとんぼ玉やブローチにしてみるのもいいですね。

着物・帯・小物の組み合わせは自由自在
では、「お正月のお出かけ」をテーマに、コーディネートも見せていただきましょう。
まずは、大胆な花柄の小紋に名古屋帯、帯揚げ、帯締めのほか、とんぼ玉の帯留め、根付を組み合わせたモダンなコーディネートです。

派手な色や柄、着こなしの難しい「柄on柄」も、着物なら抵抗感なく身に付けられますね。
ほかにも、同じ着物で何通りにも着こなせる例として、こちらの紬をご紹介します。


お手持ちの着物を持参して、商品の帯や小物と合わせて選ぶのもOKとのことですよ!
自由な着こなしを楽しもう
お値段は、今回ご紹介したコーディネートの場合、アクセサリーや小物込みで1万5,000円から3万円程度。※リサイクル着物は状態や素材で価格が異なります。
着物だけなら5,000円程度、帯は2,000円程度から購入でき、洋服のお出かけ着よりお手頃かもしれません。
こんなところも、倹約を心がける私にとっては、着物の魅力です(笑)。
着物警察は気にしない!
着物というと「おかしい着方をしていて、詳しい人に注意されないか」と、いわゆる「着物警察」を心配する声もよく聞きます。
しかし、「正式」とされるルールが厳密で、それを守ったほうが無難なのはフォーマル着物の話。
普段着の着物は、事情がちょっと違います。
カジュアル着物に細かいルールを指摘するのは、むしろ野暮というもの。
そんな人がもしもいたとしても、気にしなくてOKですよ!
洋服の普段着と同じ感覚で、もっと自由に楽しんでいきましょう。
次のお正月には、あなたも、着物でお出かけしてみませんか。
DATA
あんてぃーく凛
富山県高岡市下牧野276−1
TEL.0766-83-0789/090-4682-2986
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