「人は神からそれぞれの『人生の目的』を与えられている」。自作ヨットで、射水からオーストラリアへの航海を目指すケビンさんのお話

ヨットを自作するオーストラリア人のケビンさん

オーストラリア人のケビン・モクシーさんは、2020年12月に妻の実家がある富山市に移住。現在、射水市内にあるボートハウスで、ヨットづくりに取り組んでいます。

ヨットが完成した暁には、母国への航海を計画しているそう。

ヨットを手作り? オーストラリアまで自作ヨットで? 怖くないの??

と、頭の中が「?はてな?」だらけ。

今回は、そんなケビンさんに「なぜ?」と質問してきました。

ケビン・モクシーさんと林原りか
※今回の記事は、英語でのインタビューを和訳しています。

青年時代の夢だったヨットづくり

ケビンさんが作っているのは、「Dix470」という双胴型のヨットです。

全長は約14m、マストの高さは25m。こちらがそのマストです。

内部には、リビングや寝室もあるという、私の予想以上に大きなヨットでした。

材料は、オーストラリアでプレカットしたものを取り寄せています。

「オーストラリアでは、ヨットづくりは人気のある趣味なのですか?」

と質問。

すると

「こんなバカなことをやる人は、オーストラリアでも珍しいよ」

とにっこり。

ケビンさんは20代はじめの頃、船を作る仕事にあこがれていましたが、その夢は叶いませんでした。

そこで、退職して富山に移住したことを機に、ヨットづくりへの挑戦を決めました。

この壮大な夢に共感した「Salt&Lightサポートクラブ」という支援グループも結成。

この「Salt」と「Light」は「塩」と「光」のこと。どちらも「生きるために必要なもの」という意味で名付けたそうです。

神から与えられた人生の目的とは

ところで、ケビンさんは現在61歳。

60代からの外国への移住、そしてヨットづくりという、大きな変化とチャレンジに不安はないのでしょうか。

「富山には以前も訪れたことがありました。僕は富山の海も山も森も大好き。そして人が好きなんですよ。

今、オーストラリアには『前の妻(first wife)』との子供や孫がいて、僕の航海を楽しみに待っています。

富山には『最高の妻(best wife)』と仲間がいて、夢のヨットづくりにも取り組めています。

今、僕はとても幸せです」

このお話に、

「私は『もう』47歳という考えになりがちです。シングルで子供が手を離れたら、これから何があるのかなと。

でも、ケビンの物語を伺うと、『これからも、まだまだ楽しいことがあるかも』と未来に希望が持てますね!」

と感想を伝えました。

するとケビンさん。

「神は、人それぞれに人生の『purpose(目的)』を与えています。

僕の『purpose』は、妻と富山に住み、ヨットを作り、漕ぎ出すこと。

まだはっきり分からないとしても、りかにもりかだけに与えられた『purpose』があるんですよ」

……60歳を過ぎてから妻の故郷である異国に移住し、自分でつくったヨットで子供や孫の待つ母国に漕ぎ出そうという強い情熱と大きな夢をもつケビンさんの言葉が、胸にしみました。

見学・応援は大歓迎!

ヨットづくりは、技術的に難しくはないものの、パーツが重いのは大変だとか。

現在の進捗は「2%程度」と笑います。本当に完成するんですか(笑)?

「ひとりでコツコツつくるのも好きだし、週末にサポートクラブのメンバーが来てくれるのも楽しいですよ」

とのこと。組み立てはある程度の経験が必要ですが、見学は随時OKです。

ケビンさんのヨットは2024年までの完成を目指し、その後テストを経て、2026年にオーストラリアに船出する予定です。

ケビンさんの故郷の海岸風景

この頃には、私も「これが私のpurposeです!」と、ケビンさんに報告したいものだと思います!


DATA

Salt&Light Dix470
saltandlight470@gmail.com
※見学などを希望する場合は、事前にメールで申し込みをしてください

You Tube
https://www.youtube.com/channel/UCAlvPpBoBgHCcqZzA498Qxw


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