厳選素材と潰した大豆で作る無添加パンの「る・ふっくらん」。地域の人が集い、 障害者が働くサードプレイス
初めて食べるのに懐かしい
今回は我が家の家族がよく立ち寄るパン屋さん「る・ふっくらん」をご紹介します。
る・ふっくらんのパンは、その名のとおり、ふっくらしっとりとした味わいのパンが中心(今は曜日限定でハード系もあり)。
もともと、ハード系の食事パンが好きな私は、少しがっかりしたことを覚えています。
ただ、初めて食べたとき「初めてなのに懐かしい味」と、不思議な印象を持ちました。
日本で一般的な柔らかいパンともなんだか違う。派手とか華やかという感じではなく、お米のご飯を思わせる、しっとりもっちり優しいお味でくせになりました。
今では、ハード系とは違った意味で、「毎日でも食べられる食事パン」として愛食しています。
今回の取材では
「この、懐かしいような美味しさは、どこからやってくるのでしょうか」
と、代表の平井かおるさんに質問してみました。
すると、
「それはもう、なんといっても、『大豆』だと思いますよ」
と即答をいただきました。
知らない方は、「パンと大豆?」と不思議に思われますよね。「豆パン」ではありませんよ!
大豆を良質な材料に練り込んだパン
る・ふっくらんのパンの一番の特徴は、生地を練るとき、水分として水ではなく「呉(ご)」を使うこと。
「呉」とは、大豆を水に浸してからすり潰してペースト状にしたものです。
このため、
「日本人が馴染んできた大豆の風味から、懐かしい美味しさと感じるのでは?」
と、かおるさん。
大豆を丸ごと使うため、食物繊維などの栄養価が上がり、腹持ちもよく仕上がるそうです。
この大豆は、小矢部市産を仕入れ、店内でペーストにしています。
このほかの材料も「美味しくて安全なものを」と選びました。
小麦は北海道産(一部カナダ産)、塩は瀬戸内海などの海水塩、沖縄産きび砂糖、北海道産よつ葉バター。酵母は果物からとった自家製の天然酵母(冬期はドライイ-スト併用)を使っています。
これらの材料を店内で1から仕込み、この生地を基本にさまざまなパンを作っています。
卵アレルギーでも食べられるよう、メロンパン以外は卵不使用。安心して食べてもらいたいと、添加物も使っていません。
こうした心遣いから、滋味あふれる美味しさが生まれるのですね。
地域の人たちが交流する「サードプレイス」
る・ふっくらんには、パン以外にも特徴があります。
それは、地域の人たちにとって「サードプレイス」的な存在であることです。
「サードプレイス」とは、第一の場所(ファーストプレイス)の「自宅」、第二の場所(セカンドプレイス)の「職場」に続く、三つ目の場を指します。
職場から自宅に戻る前にちょっと立ち寄れる場所だったり、その場所を中心とした集まりがあったりして、気軽な交流でリラックスできる場所が「サードプレイス」です。
私が訪れた日も、お団子を差し入れて世間話をしていく常連さんや…

保育園のお迎えの後、セルフサービスのコーヒー(100円)を楽しんでいるママさんが。

家事育児に追われる帰宅後に向けて、ここでリフレッシュしていくそうです。
また、る・ふっくらんは、病気や障害をもつ方々の就労支援を目的に開店したお店です。
店内のテーブルスペースに関係者が集まって、情報交換をすることもしばしば。
人の輪をつなぐ拠点としての役割も果たしています。
我が家のお気にいりパン
では、最後に、我が家で人気のパンをご紹介します。
まずはテーブルロール。プレーンのほか、紫芋や小松菜などいろんな味の詰め合わせです。

次は食パン。何種類かあり、私は野菜が苦手な次女も、知らず知らずのうちに食べてしまう「いみずのみどり」がお気に入り。射水市円池の農園「葉っぴーFarm」の小松菜ペーストを練り込んだ食パンです。

また、ローフもオススメ。こちらもいくつかの種類があります。我が家の一番人気は北海道産の大納言小豆と全粒粉が入った「大納言ローフ」です。

そして、甘いパンが好きな子どもたちのお気に入りがメロンパン。クッキー生地と砂糖がザクザクしていて美味しい!と毎回リクエストされます。

…と、長くなるでこのくらいにしておきましょうか。
る・ふっくらんのパンは、店舗での販売のほか、射水市内ではアルビス大島店、富山市では黒崎屋(富山市寺島)で販売されています。
いい材料で丁寧に作られた射水生まれの優しいパンをぜひ食べてみてください!
DATA
る・ふっくらん
富山県射水市八塚282-8
TEL. 0766-52-2887
https://www.facebook.com/Lu.fuccran/
