「ホタルイカすくい」に初挑戦! 新月の夜中、海老江の海に行ってみた!

浜辺の朝散歩で「!?」

海老江海浜公園の近くに引っ越した私が朝の散歩を始めたことは、前回のコラムでご紹介しましたよね。

ある日、波打ち際を歩いていると、目に入るものがありました。

あ、ホタルイカ!

歩いていると、どんどん数が増えていきました。

そういえば、海老江海浜公園は「ホタルイカすくい」スポットとして紹介される場所。

昨夜はきっと「ホタルイカの身投げ」があったのでしょう。

「ホタルイカの身投げ」とは、ホタルイカが産卵のために富山湾の浅瀬に集まること。

このとき、ホタルイカを波打ち際からタモなどで捕まえることが「ホタルイカすくい」と呼ばれています。

調べたところ、集まるのはすべてメス。月明かりの少ない新月前後の夜、方向を見誤って波打ち際まで来てしまうのだとか。

そうして戻れなくなり、産卵の後に力尽きて打ち上げられるとき、青白く発光するそうです。

私も子育てがほぼ終わろうとしているタイミングということもあり、打ち上げられたホタルイカに親近感。

お母さんホタルイカの最後のひと輝きをこの目で見てみたくなりました。

ホタルイカより、人間がいっぱい!

その次の新月の前日22時過ぎ。初めてのホタルイカすくいにやってきました。

ゴールデンウィークの土曜日だからなおさらでしょうか。海老江海浜公園の駐車場は車が溢れるほどで、県外ナンバーの車が目立ちます。

真っ暗な砂浜には、たくさんのヘッドライトの光がキラキラと輝いていました。

素足で海に入る半ズボンの若者たちもいましたが、ほとんどの人は胴長靴「ウェーダー」で完全装備。

しかし、ホタルイカはいないのか、皆さんお静かです。

私もタモを持って海に入ってみましたが、水中には何も見えません。

近くの人に「何かとれましたか?」と声をかけたところ、魚と小振りなイカがいたそう。

1時間ほど粘ってみましたが、長靴に海水が入って冷えてきたこともあり、引き上げることにしました。

眠気と戦いながら出会えた青白い光

その翌晩は新月当日。ホタルイカが集まりやすいという満潮に合わせ、今度は午前2時に再挑戦しました。

浜辺には、真夜中にも関わらずライトがあちこちに輝き、期待が高まります。

今回は無駄に濡れないよう、「とれた!」の声が聞こえてからすくいに行く省エネ作戦。砂浜に腰を下ろして待ちました。

ずいぶん経った頃、隣の親子連れのお父さんから「2匹!」の声が聞こえました。

見せていただくと、ホタルイカです!

お母さんが「触ると光るよ」とホタルイカを手に取ると、ホタルイカは青白く発光。お子さん方と私は、歓声を上げました。

このご家族は、滋賀県から車中泊でお越しだとか。楽しい思い出ができてよかった……と私まで嬉しくなります。

一方、私のバケツは空のまま。身体は冷えてきて、さらに眠くてたまりません。

時計を見ると、すでに3時半を過ぎています。

「帰ったすぐあとにホタルイカが現れたら悔しい……」と、引き際をすっかり見失ってしまいました。

「こういう損切できない心情を『コンコルド効果』と呼ぶんだっけ……」などと考えているうちに、うとうと……寝落ちしてガクン!

もう限界です。諦めて帰ることにしました。

ホタルイカは買えるけれど、非日常感は楽しい

この日は仕事に向かいましたが、とにかく眠くて大変。そして、スーパーでは、朝どれホタルイカがパック詰めされて並んでいました。

「だから、地元の人はホタルイカすくいにそこまで夢中にならないのよね……」と、自分が今までホタルイカすくいをしなかった理由を思い出し、苦笑いしてしまいました。

とはいえ、初ホタルイカすくいは、非日常感が印象的。

波の音だけが響く静かで穏やかな浜辺。漆黒の空、頭上に輝く北斗七星。波打ち際にきらめくヘッドライトの光。それらを目の前にして、ただ待っているだけの時間……思い出すと、とても贅沢に感じられます。

熱いコーヒーをポットで持っていくとか友達と語らいながら待つのもいいな、などと想像していると、また行きたくなってきました。

次こそ、お母さんホタルイカたちの発光で美しく輝く波打ち際を見てみたいと思います!


DATA

海老江海浜公園
射水市海老江

問い合わせ
射水市役所港湾・観光課
射水市小島703
0766-51-6676


お問い合わせ